梶の葉 葉蓋(はぶた)水指

夏 七夕の頃、葉を水指の蓋にして使う点前があります。
裏千家11代玄々斎が創案されました。
ある年の七夕の趣向の茶会で、好みの末廣籠の花入の受け筒に、
梶の葉を蓋にして水指に使用したのが始まりになっています。

庭に、春には全くなかった梶の葉は、夏、今の時期になると大きくなります。
稽古で使おうと思っていると、今年も91歳になる母に、大きくなったからと言って一枝切られてしまいました。
切った理由を聞いてみると、葉が大きくなり他の花の邪魔になるとのこと・・・確かに
花が咲き、実がつくのが見たいけれども、今年も可能性は低いようです。

梶の葉を調べてみると、
七夕の 門渡る舟の 梶の葉に いく秋書きつ 露のたまづさ[藤原俊成/新古今和歌集]
(彦星が織姫に逢いにゆくために、天の川を漕ぎ渡る舟のかじではないが、その梶におりる露のように
 私は幾秋 梶の葉に書き続けたことでしょうか あなたをお慕いする手紙を)
昔は、今のように短冊に願い事を書くのではなく、梶の葉7枚に歌を書いて星に手向ける風習だったそうです。
梶の木は、神に捧げる木として神社の境内に植えられたり、七夕の飾りとして宮中で使われるなど、神事に関連が深い木です。

七夕は新暦の7月7日に行われる地域が多いですが、有名な仙台七夕まつりは、旧暦8月6日~8月8日に行われます。
梶の葉があれば、葉蓋水指 又は、陶器の水指に梶の葉を載せ、楽しまれてはいかがですか