3月21日(日)
愛宕坂茶道美術館にて「羽衣の茶会」が開かれました。
今年初めての茶会でしたので、心ウキウキ、とても楽しい茶会でした。
羽衣の茶会
【テーマ】
季節・・・春(3月)
場所・・・駿河国 三保の浦
春の浦には心地よい朝風が吹きぬけてゆく、春霞の立ちこめるある朝のこと
漁師の白龍は三保の浦で一枚の美しい衣を拾います。
そこに現れた天女は衣を返してくれと言うが、天人の羽衣と知った白龍は
これを惜しみ、返すことを渋る。
天女は、衣無くては天界へ帰ることの叶わぬ身を嘆く。
伝説の瑞鳥たちと翼を並べていた天界の日々に引きかえ、
今や濁世の下界で朽ち果てるのを待つばかり。
雲のかなたをゆく鳥たち、空に吹く春風さえも羨みつつ、
天女は悲しみにうち萎れるのだった。
その姿に同情した白龍は、
伝説の“天人の舞楽”を見せるならば衣を返そうと言うが、
舞を見ぬうちに衣を返したならば、そのまま帰ってしまうのではないか。
疑う白龍に、天女はきっぱりと言う。
「他人を疑うのは人間の行い。天界には偽りなど、ありはしないのです」
その言葉に自らの心を恥じた白龍は、ついに衣を返してやる。
やがて舞い納めた天女は、人間界の幸福を叶えようと数々の宝を降らせ、
心地よい浦風に羽衣をはためかせながら、春霞に紛れ、天空へと昇って行く。
席主は、思いを道具に込めておもてなしをして下さいました。
床 「風吹碧落浮雲尽」
花入 竹鶴首
香合 開扇
釜 筒 桐地紋
水指 瑠璃金襴手
薄器 木地平棗
茶杓 銘「万国花」
茶碗 黒 松絵 銘「相生」
どのお道具も素晴らしく、楽しませて頂きました。
家に帰り、羽衣を調べ 今一度亭主の想いをいただきました。
(恥ずかしながら・・・羽衣は3月だったのですね)
コロナウイルス感染防止策を講じながらの茶会でしたので、
席主・水屋の皆さんは大変でしたでしょう。