赤茶碗(上等品)
長次郎写
銘 「木守」
佐々木昭楽 作
木箱入
寸法 直径12.2㎝×高さ8cm
[ 説明]
赤茶碗 「南方録」「利休百会記」などの茶書に残されている茶会の主たる茶碗として 幾度とその名をとどめた茶碗は、「木守」をおいてないだろう。 利休より小庵、元伯宗旦と愛用され、さらに元伯の次子一翁宗守に譲られ、以降、官休庵に伝来。 その後、松平家に献上され、今日まで同家に伝わるが、大正十二年の大震災に遭遇、東京、松平家倉に おいて粉砕され失われた。後、破片数個が拾い上げられ、これを用いて「木守」の再現の努力がなされ、 十二年後の昭和九年、十三代楽惺入によって完成され、官休庵九代愈好斎宗守によって再び松平家に伝わる。
現存の茶碗は、本歌の破片がはめこまれたものではあるが、利休。小庵、宗旦と伝え千家茶道の重宝として 王道を歩んできた茶碗である。