茶道具の懐紙の使い方と種類について分かりやすく解説

こんにちは、
茶道具通販専門店ふげつ工房、代表の田中です^^

茶道をする上で欠かせない道具である懐紙。

懐紙とは、菓子をとったり、器物を拭ったりするために懐中に入れておくものです。

懐紙はお茶席以外にも、
様々なシーンで使える便利なアイテムです。

正しい使い方などを知っておかないと
マナー違反になるので注意が必要です。

ここでは、
茶道具の懐紙の使い方や種類についてお伝えしていきたいと思います。

茶道具の懐紙とは?

懐紙とは茶道で欠かせない道具の一つで、
懐に入れて携帯する二つ折りの紙のことです。

茶道では懐紙にお菓子を置いて、
受け皿のように使います。

懐紙は元々、和歌や俳句を書く料紙でした。

そしてこの紙を懐に入れて持ち運ぶことから、
懐紙と呼ばれるようになりました。

懐紙には男性用と女性用があり、
それぞれサイズが異なります。

男性用の懐紙は、
女性用より一回り大きいサイズです。

慣れてないうちは、
サイズをしっかり確認してから購入することをおすすめします。

また、懐紙は茶道で使うだけでなく、
和食や懐石料理の場でも活用できます。

茶道での懐紙の使い方

懐紙は一般的にお茶席で使用されるものです。

お茶の席でお菓子をいただくときに使用します。

茶道を始めたばかりの人は、
どのように使ったら良いか理解できていないのではないでしょうか。

ここでは、懐紙の折り方と使い方を紹介します。

お茶席でマナー違反をしないように、
懐紙の折り方と使い方をマスターしましょう。

懐紙は、一折分を袱紗ばさみに入れておきます。

懐中するには、
わさ(折り目の方)を下にしして入れておきます。

自分用の懐紙は両端を揃えて
綺麗に折ったものを使いますが、

流儀により異なりますが、
お客様にお菓子をのせて運び出す場合は、
懐紙はずらして折って出します

懐紙の折り方は、
慶事用と弔辞用の折り方があるので注意しましょう。

慶事用の折り方は、
まず輪と呼ばれる折り目部分を手前にして懐紙を置きます。

上の紙を右に少しずらして折れば完成です。

お客様に出す懐紙もこの折り方で問題ありません。

弔辞用の折り方は、
慶事用とは反対で左側に少しずらすように折ります。

お客様用の懐紙を弔辞用で出さないように、
折り方には十分気をつけてくださいね。

ここからは、懐紙の使い方を紹介します。
まず懐紙を懐から取り出します。

懐紙にはお菓子をいただく際に使う菓子切り(くろもじ)を挟んでおきます。

この菓子切り(くろもじ)も自分で用意しておくものです。

懐紙を購入するときに一緒に用意しておきましょう。

お菓子と自分の間に懐紙をセットし、
懐紙の上にお菓子を置きます。

この時、わさを手前に、
畳のへり内膝前に出し、
菓子を懐紙の上にとります。

菓子をとったあと、
箸の先を懐紙の端でぬぐいます。

懐紙の端で汚れを拭き取ります。

そして、左手のひらに懐紙をのせ、
お菓子を小さく切り分けて食べます。

お菓子を食べ終わったら、
菓子切りを懐紙でよく拭き取ります。

使い終わった懐紙は、
きれいに畳んで懐の中にしまいましょう。

懐紙を使用する際の注意点としては、
水分が多い和菓子の場合、
懐紙に水分がにじみにくい硫酸紙などを使用することでふせげますが、

お菓子が滑り、
落とすことがありますのでご注意下さい。

普通の懐紙を使用する場合、懐紙の中に
「懐紙サポート」・「べんり板」を敷きますと
水分をふせぐことが出来ますので、おすすめです。

懐紙の様々な使い方

基本的には、懐紙は茶道でお菓子をいただく際に使われます。

しかし着物が一般的に着られていた時代は、
懐の中に様々なものを入れて持ち歩いていました。

そして近年では、
お茶会や和食の席で使う他、
懐紙の使い方の幅は広がっています。

懐紙のメリットは、
包んだり、
拭いたり、
書いたりといった、

様々な用途に対応しているところです。

普通の紙は目的別に作られていますが、
懐紙は何にでも使えるのが特徴です。

下記は、懐紙の使い方の一例です。
ぜひ参考にしてください。

食べ残しのお菓子などを包む

食べ残しのお菓子や苦手な食べ物を残せないときには、
懐紙を活用しましょう。

今ではマスクも入れられる袋懐紙があります。

おもてなしの気持ちで準備してもらったお菓子を食べないのは、相手に失礼です。

残ったものはきれいに包んで持ち帰ります。

また、果物の種などを口から出したいとき、
フォーマルな場ではそのままお皿に種を出しにくいですよね。

そんなときに懐紙を持っていれば、
果物の種を包んで人前から隠せます。

食事のときに懐紙を使う

懐紙を便利に使えるシーンの一つは食事中です。
汁物を食べて汁が垂れそうなときや口元が汚れたとき、
飲み物などをこぼしたときに使うことができます。

懐紙を折って使用すると、
飲み物を置くコースターとして使えます。

さらに、魚の骨などを隠したいときにも活用できます。

また自宅で使用する場合、
お菓子を出すときの銘々皿(受け皿)として懐紙を使うことも可能です。

食べ物をこぼしてしまうかもと気にすることなく、
きれいに食べられるでしょう。

懐紙をメモ代わりにする

懐紙を持ち歩いていると、メモ用紙として使うこともできます。

ちょっとしたことをメモしたいとき、
誰かにメッセージを伝えたいときなどに使いましょう。

日常生活用に携帯しておくと、
もしものときにさっと取り出して使えるので便利です。

ポチ袋として使う

お金を渡すときにも、
懐紙を使うとスマートに渡せます。

ポチ袋として使用するときは、
難しい折り方をする必要はありません。

三つ折りにして間にお札を挟むだけで
即席のポチ袋になります。

また、封筒の代用品としても使えます。

懐紙を折って端を糊付けすると、簡易版の封筒になります。

ハンカチやティッシュの代役

懐紙は、ハンカチやティッシュの代わりとしても活用できます。

例えば、グラスについた口紅を拭くときや
コップに付いた水滴を拭き取りたいときなどにも使えるでしょう。

懐紙の種類

一般的にお茶席で使用されているのは、
白無地の懐紙です。

茶道初心者は、
最初に白無地の懐紙を購入しておくと間違いありません。

柄入りの懐紙は、茶会によっては相応しくない場合があります。

初めての場では白無地を使用し、
周りの雰囲気を確認してから柄入りの懐紙を使うか検討してください。

懐紙は日常生活でも使われるようになり、
おしゃれな柄や綺麗な色味の懐紙が販売されるようになりました。

女性用の柄入り懐紙の種類は豊富で、
和風の柄や華やかな柄などが取り揃っています。

おしゃれな柄の懐紙を持っていれば、
メモ用紙に使ったり、お金を包んで渡すなど、様々なシーンで活躍するでしょう。

季節感に合わせた柄も多い傾向にあります。

ただし季節感が強い懐紙は、
1年中使うことができないので注意が必要です。

茶道は季節感を大切にしています。
正しい季節に合った柄を使用しないと、
茶道のマナーとしては良い印象を持たれないでしょう。
又、お菓子を取りのせた時に柄と重なる場合もありますので、注意しましょう。

懐紙に使われている紙の質も、豊富に取り揃っています。

例えば、夏場のお茶席では水気のあるお菓子が出ることが多いです。

水分が多いお菓子を出されるときは、
硫酸紙のような耐水性が高い懐紙を使用します。

硫酸紙とは、紙の表面がにじみにくい加工がされている紙のことです。

懐紙の上に硫酸紙を置きカバーのように使えば、
水分を気にする必要はなくなりますが、
お菓子が滑り、落とすことがありますのでご注意下さい。

懐紙の中に
「懐紙サポート」・「べんり板」を敷きますと
水分をふせぐことが出来ますので、おすすめです。

このようなにじみにくい懐紙は、
メモ用紙として使うと、インクがにじみにくくなります。

また、季節のイベントに合わせた懐紙を使うのもおすすめです。

例えば、ひな祭りをモチーフとした柄などがあります。

イベントに合わせた柄が使える時期は1ヶ月程度ですが、
日常的に懐紙を使う人にはおすすめの柄です。

生活の中に懐紙を取り入れてみましょう

茶道の道具の一つである懐紙についてお伝えしてきました。

懐紙はお茶席だけでなく、
日常生活に使用できる便利なアイテムです。

常に懐紙を携帯しておけば、
周りに対してちょっとした気遣いができるようになります。

女性用の懐紙は柄が豊富なので、
季節感に合わせた懐紙を持つのもおすすめです。

ぜひ茶道の時間と日常生活の両方に懐紙を取り入れてみてくださいね。