茶道の扇子について

こんにちは、
茶道具通販専門店ふげつ工房、代表の田中です^^

扇子というと、茶道をされたことがない方でしたら
「うちわ」のように暑い時期に涼をとるために使う、
というイメージがあると思いますが、
茶道における扇子は、少し違う使い方をします。

というのも、元々扇子は平安貴族の時代には、
扇ぐだけではなく、花を贈るとき、和歌をかくとき、
各種儀礼のとき、女性が笑う時に歯を隠すときなど様々な
シーンで使用されていたんですよ^^

今の時代でも笑う時に口を手で隠すこと
があるかと思いますが、昔のなごりなのかもしれませんね。

茶道における扇子の用途

茶道における扇子の用途としては、
点前自体に使用するわけではないのですが
人や道具の間に置き、境界(茶道用語で「結界」といいます)
をつくることで相手を敬う(と同時に自分がへりくだる)
という意味を持っています。

扇子の使いかたとマナーについて

挨拶をするときや茶室に入るとき、道具を拝見するときなどに、
自分のひざの前に扇子を置いてから、挨拶や拝見(掛け軸や茶道具を見ること)
をします。

こういった扇子の使い方は、茶道だけではなく日本に従来からあるマナーと
いわれているんです。

戦国時代に武将たちからもてはやされていた茶道では、
刀の代わりに扇子を持って茶室に入ることが一般的でした。

茶室での挨拶の際に刀を自分の前に置くことで、
相手に対して敵意がない意思を表す意味だったんです。

挨拶や拝見に使用する以外には、
初座の挨拶までの間は右横に、
点前の席中には自分の後ろに置いておきましょう。

扇子の種類やサイズはどうしたらいいの?

表千家用、裏千家用のどちらも厳密な決まりはないですが、

表千家の扇子は、現在男女とも長さは、6.5寸(19.7cm)が主流となっています。
昔は、男性は6.5寸(19.7cm)で、女性は6寸(18.2cm)でした。

裏千家では、男性は6寸(18.2cm)、女性は5寸(15.2cm)を使います。

扇子は「要」「親骨」「地紙」「中骨」の
4つの部位から成り立っています。

茶道の際、扇は開くことがないため、
最も重要な部位は外に見える親骨です。

大きくわけて親骨が白い(白竹)ものと漆などで染められたもの
があります。染められた扇子は玄人向けのものという印象もあるため、
迷った場合は白竹を買っておくのが無難です。

お稽古で使用する扇子に迷った場合は
先生にお尋ねするのが望ましいでしょう。

扇子についてのまとめ

最後に扇子についてこれだけは覚えておいてほしいことを
まとめさせていただきました。参考にしていただけましたら幸いです^^

  • 茶室での扇子は、挨拶や拝見に使用する際は相手や道具と自分の間に境界を作り、相手を敬う意味を持っている。
  • 初座の挨拶までの間は右横に、点前の席中には自分の後ろに置いておく。
  • サイズや種類は厳密な決まりはないが、親骨は白竹のものが無難。
  • 先生に尋ねることができるのであれば、質問するのが望ましい。